映画ファンが教える!鎌倉ロケ地巡り完全ガイド【地元民の実体験レポート】

鎌倉観光ガイド

映画ファンが教える!鎌倉ロケ地巡り完全ガイド【地元民の実体験レポート】

「あ、この場所知ってる!毎日通ってるところだ!」

鎌倉に移住して5年、映画を1,200本以上観てきた私が、スクリーンで見慣れた風景に出会う瞬間ほど嬉しいものはありません。東京・品川から鎌倉への毎日3時間の通勤時間を使って映画を観続けてきた結果、「あれ?この江ノ電のシーン、昨日撮影してたやつだ」なんて体験が日常になりました。

今回は、鎌倉在住の映画オタクが実際に足を運んで確認した本当におすすめの映画ロケ地をご紹介します。観光サイトには載っていない地元民ならではの情報や、実際に訪れた時のエピソードも交えながら、鎌倉ロケ地巡りの魅力をお伝えしていきます。

なぜ鎌倉は映画監督に愛されるのか?

鎌倉が映画のロケ地として選ばれる理由は、単に「景色が美しいから」だけではありません。5年間この街に住んで分かったのは、鎌倉には「時間の層」が重なっているということです。

鎌倉幕府から800年以上の歴史を持つ古刹と、昭和レトロな商店街、そして現代的なカフェが自然に共存している。この不思議な「時空のミックス感」が、様々な時代設定の映画にフィットするんです。

是枝裕和監督が『海街diary』で鎌倉を選んだ理由も、おそらくこの「過去と現在が溶け合う空気感」にあったと思います。実際、私も毎朝江ノ電に揺られながら「ここ、広瀬すずが走ってたシーンだな」と思い出して、映画の余韻に浸っています(完全に通勤のモチベーション維持に利用してます)。

都心からのアクセスの良さも重要ポイント

映画製作者目線で考えると、鎌倉は東京から約1時間という絶妙な距離感も魅力です。撮影機材を運びやすく、スタッフの移動負担も少ない。でも、映像に映れば「どこか遠い場所」のような非日常感が出せる。まさに映画ロケ地としての理想的な条件が揃っているんです。

実際に訪れた鎌倉ロケ地7選【地元民のリアルレポート】

ここからは、私が実際に足を運んで確認した映画ロケ地をご紹介します。それぞれの場所での体験談や、観光では気づかないポイントもお伝えしますね。

1. 極楽寺駅周辺【映画『海街diary』の聖地】

登場作品:『海街diary』(2015年・是枝裕和監督)
アクセス:江ノ電「極楽寺駅」下車すぐ
訪問時期:2024年6月(紫陽花シーズン)

極楽寺駅は、私が「鎌倉で一番好きな場所」として断言できる場所です。映画では広瀬すず演じる四女・すずが通学で使っていた小さな無人駅。木造の駅舎は昭和4年(1929年)建築で、関東の駅百選にも選ばれています。

実は私、この駅で実際に映画の撮影現場に遭遇したことがあるんです。2023年9月のある朝、いつものように通勤で極楽寺駅を通ったら、見慣れない撮影機材とスタッフさんがズラリ。「お、また何か撮影してる」と思いながら江ノ電を待っていたら、隣に立っていたおばあちゃんが「あら、また是枝さんの映画かしら?」とボソッと。

地元民の間では、極楽寺駅での撮影はもはや日常の一部になっているようです(笑)。

訪問のコツ:紫陽花の季節(6月)は本当に美しいですが、観光客で大混雑します。早朝7時前に訪れると、映画のワンシーンのような静かな雰囲気を独り占めできますよ。私は休日の早朝に訪れて、誰もいない駅のホームで30分ぐらいぼーっとしてました(完全に不審者)。

2. 鎌倉文学館【大人の恋愛映画の定番スポット】

登場作品:『最後から二番目の恋』(2012年・ドラマ)、『ラストレシピ 〜麒麟の舌の記憶〜』など
アクセス:江ノ電「由比ヶ浜駅」から徒歩7分
訪問時期:2024年5月

鎌倉文学館は、洋館と庭園が美しい文化施設です。春にはバラが咲き誇り、その優雅な雰囲気から数多くの映像作品のロケ地になっています。

私が初めて訪れたのは、移住して間もない2020年10月。『最後から二番目の恋』の大ファンだった妻(当時は彼女)を連れて行ったんですが、彼女が「ここ!小泉今日子と中井貴一が話してた場所!」と大興奮。完全に私より詳しかったです(悔しい)。

建物は旧加賀百万石の前田侯爵家の別邸で、昭和初期の和洋折衷建築が素晴らしい。館内では夏目漱石や川端康成など、鎌倉ゆかりの文豪の資料が展示されています。入館料300円というコスパの良さも魅力です。

訪問のコツ:バラの見頃は5月中旬〜6月上旬と10月中旬〜11月上旬。庭園だけなら無料で入れるので、散歩がてら立ち寄るのもおすすめです。

3. 七里ヶ浜海岸【青春映画の永遠の舞台】

登場作品:『稲村ジェーン』、『陽のあたる場所』、『ビーチボーイズ』など多数
アクセス:江ノ電「七里ヶ浜駅」から徒歩3分
訪問:ほぼ毎週(散歩コース)

七里ヶ浜は、私の週末の定番散歩コースです。晴れた日には江の島と富士山が同時に見える絶景スポットで、映画やドラマで「海辺のシーン」といえば、だいたいここが使われます。

特に夕暮れ時の美しさは格別。オレンジ色に染まる空と海、シルエットになる江の島と富士山…このビジュアルが無料で見られるんだから、鎌倉に住んでて良かったと心から思います(通勤3時間の辛さが帳消しになる瞬間)。

余談ですが、夏の週末は若者たちがビーチバレーやBBQをしていて、まさに青春映画そのものの光景が広がります。38歳のおじさんが一人で歩いてると、ちょっと切なくなりますけどね(笑)。

訪問のコツ:サンセット狙いなら、夕方5時以降がおすすめ。海岸沿いのカフェ「AMALFI CAFFE」のテラス席から眺める夕日も最高です(ただし週末は激混みなので要予約)。

4. 建長寺【時代劇からサスペンスまで万能ロケ地】

登場作品:『るろうに剣心』シリーズ、『のだめカンタービレ』など
アクセス:JR「北鎌倉駅」から徒歩15分
訪問時期:2024年11月(紅葉シーズン)

建長寺は、鎌倉五山第一位の格式高い禅寺です。広大な境内は時代劇のロケ地として頻繁に使われ、特に『るろうに剣心』の殺陣シーンの多くがここで撮影されました。

私が建長寺を訪れるきっかけになったのは、実は通勤中に観た『るろうに剣心』がきっかけでした。「これ、家から自転車で行ける距離じゃん!」と気づいて、その週末に即訪問。実際に映画で見たあの石段、あの回廊を歩けた時の感動は今でも忘れません。

境内の奥には「半僧坊」という展望台があり、ここから見下ろす鎌倉の街並みと相模湾は圧巻です。往復30分ほどの山道を登る必要がありますが、その価値は十分にあります。

拝観料:大人500円
訪問のコツ:紅葉シーズン(11月下旬)は混雑しますが、早朝8時半の開門直後なら比較的空いています。石段が多いので、歩きやすい靴で行きましょう。

5. 鎌倉高校前駅【アニメの聖地がまさかの実写映画にも】

登場作品:『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』、『陽だまりの彼女』など
アクセス:江ノ電「鎌倉高校前駅」下車すぐ
訪問:通勤で毎日通過(平日朝7時半)

鎌倉高校前駅の踏切は、『SLAM DUNK』のオープニングで有名になった場所ですが、実は実写映画のロケ地としても多用されています。

私は毎朝この踏切を電車で通過するんですが、観光客の多さに毎回驚きます。特に春夏の週末は、アジア圏からの観光客が写真撮影の順番待ちで行列を作っているほど。平日朝でも10人ぐらいはカメラを構えています。

地元民としては「通勤の邪魔だな…」と思いつつも、みんなが楽しそうに写真を撮ってる姿を見ると、「まぁいいか」という気持ちになります(心が広くなった自分に驚き)。

訪問のコツ:朝の通勤・通学時間帯(7〜9時)と夕方(16〜18時)は地元の学生が多いので避けましょう。午前中の平日10〜11時頃が比較的空いています。車の通行も多いので、道路に出て撮影するのは絶対NGです。

6. 長谷寺【四季の花々と映像美の融合】

登場作品:『DESTINY 鎌倉ものがたり』、『海街diary』など
アクセス:江ノ電「長谷駅」から徒歩5分
訪問時期:2024年6月(あじさい見頃)

長谷寺は「鎌倉の西方極楽浄土」と呼ばれる花の寺です。特に6月の紫陽花シーズンは、約2,500株の紫陽花が咲き誇り、まるで絵画のような美しさです。

私が初めて訪れたのは2021年6月。紫陽花を見に行ったんですが、入場まで2時間待ちという衝撃的な状況でした。「ディ◯ニーランドか!」とツッコミたくなるほどの大行列。でも、実際に見た紫陽花の美しさは、待った価値があったと心から思えました。

境内の高台からは鎌倉の街並みと由比ヶ浜を一望でき、この景色が多くの映画で使われています。特に夕暮れ時の光の加減が絶妙で、映画監督が好んで撮影する理由が分かります。

拝観料:大人400円
訪問のコツ:紫陽花シーズンは整理券制になることも。早朝8時の開門直後か、平日の14時以降が狙い目です。

7. 報国寺(竹の庭)【時代を超越した静寂の空間】

登場作品:『グローリー 明日への行進』(ハリウッド映画でも使用!)、『武士の献立』など
アクセス:JR「鎌倉駅」東口からバス10分「浄明寺」下車徒歩3分
訪問時期:2023年8月

報国寺の竹林は、約2,000本の孟宗竹が生い茂る幻想的な空間です。ハリウッド映画のロケ地にもなったことがあり、「ここが日本?」と思うほど非日常的な雰囲気に包まれます。

私が訪れた真夏の午後、竹林の中はひんやりと涼しく、外の暑さが嘘のようでした。木漏れ日が竹を照らす様子は、まるでスクリーンの中にいるような錯覚を覚えます。

竹林の奥には茶席「休耕庵」があり、抹茶と和菓子をいただきながら竹林を眺めることができます(別途600円)。この贅沢な時間は、都会の喧騒を忘れさせてくれる至福のひとときです。

拝観料:大人300円
訪問のコツ:午前中の早い時間(9〜10時)は光の入り方が美しく、人も少なめです。夏の午後は涼を求める観光客で混雑します。

ロケ地巡りを10倍楽しむコツと注意点

5年間鎌倉に住んで、映画ロケ地を巡り続けた私から、実践的なアドバイスをいくつかお伝えします。

事前に映画を観てから訪れる

これは当たり前のようで重要なポイント。映画のシーンを頭に入れてから訪れると、「あ!このアングル!」という感動が何倍にも膨らみます。私は訪問前日の通勤時間に、該当シーンをスマホで確認してから行きます(完全に予習)。

早朝訪問が最強

観光地化している場所は、とにかく早朝が狙い目です。8時前に訪れれば、映画のワンシーンそのままの静けさを体験できます。「観光客ゼロの極楽寺駅」とか、本当に映画の世界に入り込んだような感覚になれますよ。

江ノ電一日乗車券を活用

江ノ電の一日乗車券「のりおりくん」(800円)を買えば、何度でも乗り降り自由。今回紹介した7つのロケ地のうち5つは江ノ電沿線なので、効率的に回れます。

地元のルールを守る

住宅街を通る際は静かに歩く、寺社では撮影禁止エリアを守る、道路で撮影しない…当たり前のことですが、これができないと地元民として悲しくなります。マナーを守って、気持ちよくロケ地巡りを楽しみましょう。

ロケ地巡りのベストシーズンとおすすめルート

季節別のおすすめ

春(3〜5月):桜と新緑の季節。建長寺の桜、鎌倉文学館のバラが美しい時期です。
夏(6〜8月):紫陽花シーズンの6月が最高。長谷寺、明月院が特におすすめ。7〜8月は海沿いのロケ地が気持ちいい。
秋(9〜11月):紅葉シーズンの11月下旬が最も美しい。建長寺、円覚寺の紅葉は必見。
冬(12〜2月):観光客が少なく、静かな鎌倉を楽しめる穴場シーズン。空気が澄んで富士山がくっきり見えます。

効率的な1日ルート例

9:00 北鎌倉駅スタート → 建長寺(90分)
11:00 江ノ電で移動 → 極楽寺駅(30分)
12:00 長谷駅周辺でランチ
13:30 長谷寺(60分)
14:45 鎌倉文学館(60分)
16:00 七里ヶ浜海岸でサンセット鑑賞

このルートなら、主要なロケ地を効率よく回れます。ただし、紫陽花シーズンや紅葉シーズンは各所で混雑するので、時間に余裕を持って計画しましょう。

まとめ:映画ファンにとって鎌倉は最高の聖地

鎌倉に住んで5年、映画ロケ地巡りを続けてきて思うのは、この街は映画ファンにとって最高の聖地だということです。

スクリーンで見た風景が、日常の中に溶け込んでいる。朝の通勤で江ノ電に乗るたびに映画のワンシーンを思い出し、週末の散歩で訪れる海岸が名作の舞台になっている。この「映画と現実が交差する感覚」は、映画好きにとってたまらない幸せです。

もしあなたが映画好きで、鎌倉を訪れる機会があるなら、ぜひ今回紹介したロケ地を巡ってみてください。きっと、映画の中の世界に自分が入り込んだような、特別な体験ができるはずです。

そして、もし鎌倉のどこかで、ニヤニヤしながら江ノ電の写真を撮っている38歳の男性を見かけたら、それは間違いなく私です。「映画のあのシーンだ!」と興奮している姿を見かけても、そっとしておいてくださいね(笑)。

それでは、素敵な鎌倉ロケ地巡りを!

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