鎌倉の四季を楽しむ!季節別おすすめスポット|5年暮らして分かった本当の見頃
鎌倉在住5年の私が、春夏秋冬それぞれの季節で「この時期に来て本当に良かった」と心から思えるスポットを厳選しました。観光ガイドには載らない”地元民だけが知るベストタイミング”も含めて、四季折々の鎌倉の魅力をたっぷりとご紹介します。
【春】桜と新緑が織りなす鎌倉の目覚め(3月下旬〜5月)

鶴岡八幡宮|桜のトンネルと源平池の水鏡(3月下旬〜4月上旬)
鎌倉観光の中心地である鶴岡八幡宮は、春になると全く違う表情を見せます。2022年3月28日、平日の朝8時に訪れた際、段葛の桜並木が満開で、まるでピンク色のトンネルを歩いているような感覚でした。早朝の静けさの中、花びらが風に舞う様子は圧巻です。
特に源平池の水面に映る桜は必見。池の周りをゆっくり一周すると、角度によって全く違う桜景色が楽しめます。朝日が昇る7時〜8時台は、水面がキラキラと輝き、桜のピンクと水の青が美しいコントラストを作ります。
ベストタイミング:3月下旬〜4月上旬、平日の早朝7時〜9時。週末は大混雑するため、平日訪問を強く推奨します。
報国寺|竹林と新緑のハーモニー(4月中旬〜5月)
「竹の寺」として有名な報国寺は、実は春の新緑シーズンが最も美しいと私は思います。2021年4月22日、ゴールデンウィーク前の平日に訪れた時、竹林の緑と庭園の新緑が重なり合う景色に言葉を失いました。空気が澄んでいて、竹が風に揺れる音だけが聞こえる静寂——これぞ鎌倉の真髄です。
抹茶(500円)を庭園で頂きながら、ゆっくりと時間を過ごすのがおすすめ。観光客が少ない平日なら、30分以上この空間に浸ることができます。竹林の中を歩くと、都会の喧騒が嘘のように感じられます。
ベストタイミング:4月中旬〜5月上旬の平日10時〜11時。ゴールデンウィークは避けましょう。拝観料300円、抹茶セット500円。
【夏】海と寺院が調和する涼やかな古都(6月〜8月)

明月院|6月限定の紫陽花ブルー(6月上旬〜下旬)
「あじさい寺」の愛称で知られる明月院は、梅雨の鎌倉を代表する絶景スポット。2020年6月14日、雨上がりの朝9時に訪れた際、境内を埋め尽くす2,500株の紫陽花が雫をまとい、青一色に染まる光景は今でも忘れられません。特に本堂奥の丸窓「悟りの窓」から見える庭園と紫陽花のコントラストは、まさに絵画そのものです。
混雑を避けるなら、開門直後の9時〜10時がベスト。特に平日の雨の日は観光客が激減し、静かに紫陽花を楽しめます。雨具は必須ですが、雨に濡れた紫陽花の色艶は晴天時の何倍も美しいのです。
ベストタイミング:6月上旬〜中旬の平日、雨天または雨上がりの9時〜10時。拝観料500円(6月のみ)。混雑必至なので覚悟を。
材木座海岸|夕涼みと地元の夏祭り(7月〜8月)
観光客で賑わう由比ヶ浜より少し静かな材木座海岸は、夏の夕方が最高です。2023年7月20日の18時過ぎ、仕事帰りに立ち寄った際、地元の家族連れがバーベキューを楽しみ、子どもたちが波打ち際で遊ぶ光景に、「これが鎌倉の日常なんだ」と実感しました。
8月中旬には「材木座海岸花火大会」が開催され、江ノ電沿線の絶景スポットからも花火が見えます。地元民は海岸から少し離れた住宅街の高台から鑑賞することが多く、混雑を避けられます。
ベストタイミング:7月〜8月の平日夕方17時〜19時。週末は地元のサーファーで賑わいます。近隣に有料駐車場あり(1日1,500円程度)。
【秋】紅葉が古都を彩る最も美しい季節(10月〜12月)

円覚寺|紅葉と山門の絶景(11月中旬〜12月上旬)
北鎌倉駅から徒歩1分の円覚寺は、秋の鎌倉で最も感動的な紅葉スポットです。2021年11月25日、朝8時半の開門直後に訪れた際、山門と紅葉のコントラストが美しすぎて、30分間その場から動けませんでした。特に朝日が山門に当たる瞬間、赤や黄色の紅葉が光り輝く様子は、まさに極楽浄土のようです。
境内奥の妙香池周辺も見逃せません。池に映る逆さ紅葉は、風のない早朝だけの特権。カメラ好きの地元民が三脚を立てる姿も見られます。極楽寺駅の早朝と合わせて、朝の鎌倉散策コースに組み込むのがおすすめです。
ベストタイミング:11月下旬〜12月初旬の平日早朝8時30分〜10時。拝観料500円。北鎌倉駅から徒歩1分とアクセス抜群。
獅子舞の谷|鎌倉最高峰の紅葉トンネル(11月下旬〜12月上旬)
地元民だけが知る超穴場スポットが「獅子舞の谷」。鎌倉宮から徒歩20分、少々険しい山道を登った先に広がる紅葉の絨毯は、鎌倉随一の絶景です。2022年11月28日に初めて訪れた時、頭上を覆い尽くすイチョウの黄色と、足元に敷き詰められた落ち葉の絨毯に、思わず「ここは本当に鎌倉なのか」と疑いました。
観光ガイドにほとんど載らないため、平日なら貸切状態で楽しめます。ただし山道は滑りやすいため、スニーカーやトレッキングシューズ必須。私は革靴で行って後悔しました(笑)。
ベストタイミング:11月下旬〜12月初旬の平日午前中。鎌倉宮から徒歩20分(登山道)。スニーカー必須、雨天時は滑りやすいため非推奨。
【冬】静寂と透明感に包まれる凛とした古都(12月〜2月)

建長寺|冬の澄んだ空気と富士山(12月〜2月)
冬の建長寺は観光客が少なく、本来の寺院の静けさを体験できます。2023年1月10日、快晴の朝9時に訪れた際、境内から遠くに富士山が見え、空気の透明感に感動しました。冬は空気が澄んでいるため、晴天日の富士山遭遇率が高いのです。
梵鐘(国宝)の周辺は人が少なく、瞑想にふける地元の方も見かけます。私も真似して10分ほど座禅のポーズで座ってみましたが、寒さで3分が限界でした。防寒対策は万全に。
ベストタイミング:12月〜2月の快晴日、平日9時〜11時。拝観料500円。北鎌倉駅から徒歩15分。稲村ヶ崎の富士山と合わせて、冬の富士山巡りコースもおすすめ。
長谷寺|冬牡丹と観音堂からの海景色(1月〜2月)
冬の長谷寺は、冬牡丹が見頃を迎える隠れた名所。2024年1月18日に訪れた際、雪囲いの中で咲く冬牡丹の健気な姿に心打たれました。また、観音堂から見下ろす冬の海は、夏とは違う深い青色で、長谷駅からの参道を歩いてきた疲れを一瞬で癒してくれます。
冬の鎌倉は日没が早いため、15時以降は急速に冷え込みます。私は16時過ぎまで境内にいて、寒さで震えながら帰宅した経験があります。防寒対策と、早めの訪問を強く推奨します。
ベストタイミング:1月〜2月の平日10時〜14時。拝観料400円。江ノ電長谷駅から徒歩5分。
四季を通じて楽しむための3つのコツ
① 平日早朝が鉄則
5年間住んで確信したのは、「平日の早朝」こそが鎌倉観光の黄金時間帯だということ。観光客が少なく、地元の空気を感じられる唯一の時間帯です。週末は10倍の人出を覚悟してください。
② 季節の「前後」を狙う
桜なら満開の1週間前、紅葉なら見頃の1週間後——ピーク時を外すだけで、混雑を大幅に回避できます。しかも景色の質は80%以上キープされています。
③ 徒歩とバスを組み合わせる
江ノ電は風情がありますが、混雑時はストレスです。江ノ電の車窓を楽しんだら、移動は京急バスや徒歩を活用しましょう。地元民は意外と歩きます。
5年暮らして分かった”鎌倉四季の真実”
正直に告白すると、鎌倉に引っ越した当初の私は「四季なんてどこでも同じでしょ」と思っていました。東京生まれ東京育ち、季節の変化といえば「暑い」か「寒い」かの二択。桜も紅葉も、テレビのニュースで見る程度でした。
しかし5年間、毎日江ノ電通勤を続け、仕事帰りにふらっと寺社を訪れる生活を続けるうちに、気づいたのです。鎌倉の四季は「見る」ものではなく「感じる」ものなのだと。
春の鶴岡八幡宮で桜吹雪に包まれた時、服に付いた花びらを払いながら「あ、今年も春が来たんだ」と実感します。夏の材木座海岸で、地元の子どもたちが無邪気に海で遊ぶ姿を見て、「自分も子どもの頃はこうだったな」と郷愁に浸ります。秋の獅子舞の谷で落ち葉を踏みしめる音を聞きながら、「もうすぐ冬が来るんだな」と少し寂しくなります。
そして冬、建長寺で凍える寒さの中、遠くに見える富士山を眺めながら「来年の春はどんな桜が咲くんだろう」と期待する——これが鎌倉の四季を「暮らす」ということなのです。
一番好きな季節は?と聞かれたら
よく「鎌倉で一番おすすめの季節は?」と聞かれますが、5年暮らした私の答えは「全部」です。これは優柔不断なのではなく、本心です。春には春の、夏には夏の、秋には秋の、冬には冬の、それぞれにしか味わえない魅力があるのです。
ただし、あえて言うなら——初めて鎌倉を訪れる方には「秋」をおすすめします。理由は簡単。気候が良く、景色が最も劇的で、食べ物が美味しいから。特に11月下旬の円覚寺は、人生で一度は見るべき絶景です。私は年に3回は訪れます(地元民なのに)。
季節外れの鎌倉も意外と良い説
最後に、地元民ならではのアドバイスを。桜の季節に紅葉スポットを訪れたり、紅葉の季節に海を見に行ったり——そんな「季節外れ」の鎌倉も実は素晴らしいのです。人が少なく、本来の静けさを取り戻した鎌倉は、観光地ではなく「生活の場」としての顔を見せてくれます。
2023年8月、真夏に円覚寺を訪れた時、蝉の声が響く静かな境内で、汗をかきながら抹茶を飲んだ経験は忘れられません。「なんでこんな暑い日に寺に来てるんだろう」と自分でツッコミを入れながらも、その「意味のなさ」が妙に心地よかったのです。
まとめ|鎌倉は「何度来ても新しい顔」を見せてくれる街
5年間暮らして、1,000回以上は寺社を訪れたはずですが、未だに「こんな景色があったのか」と驚くことがあります。同じ場所でも、時間帯、天気、季節、自分の気分——様々な要素で全く違う表情を見せるのが鎌倉なのです。
今回ご紹介した季節別おすすめスポットは、あくまで私の主観です。あなたが訪れた時には、私とは全く違う感動があるかもしれません。それこそが鎌倉の魅力——一人一人に、それぞれの「特別な鎌倉」を見せてくれる街なのです。
次回鎌倉を訪れる際は、ぜひ季節を意識して、その時期にしか味わえない景色を探してみてください。きっと、あなただけの「鎌倉四季物語」が始まるはずです。
そして可能なら、同じ場所に違う季節に2回訪れてみてください。春の顔と秋の顔、夏の音と冬の静寂——その違いに気づいた時、あなたも私と同じように「鎌倉の虜」になっているかもしれません。
🔗 鎌倉・湘南のおすすめ記事
【鎌倉日記】鎌倉年間イベントガイド|花火・祭り・伝統行事を季節別紹介
鎌倉市の1年間の行事を季節ごとに完全ガイド。春の鎌倉まつり、夏の花火大会、秋の文化イベント、冬の静寂まで、伝統行事とイベントを詳しく紹介します。
【鎌倉日記】由比ガ浜の歴史|鎌倉の海が語る千年物語
由比ガ浜の歴史を古代から現代まで詳しく解説。弥生時代の生活跡、鎌倉時代の武家社会、静御前の悲劇、海水浴場への変貌まで、詳細な歴史ガイドです。
湘南ロケ地コメディ旅|映画・アニメ聖地巡りあるある爆笑ガイド
湘南の映画・アニメロケ地をネタにした爆笑巡りガイド!スラムダンクから海街diaryまで、湘南あるある満載でご紹介。笑って学べる湘南ロケ地旅のすべて。
【鎌倉日記】鎌倉の歴史完全ガイド|武家社会誕生から現代までの軌跡
鎌倉の歴史を古代から現代まで詳しく解説。鎌倉幕府の成立、北条氏の台頭、執権政治、観光地としての発展まで、詳細な歴史ガイドです。
【鎌倉日記】鎌倉映画ロケ地完全ガイド|聖地巡礼おすすめスポット
鎌倉の映画・アニメロケ地を完全ガイド。スラムダンク、海街diaryなど代表作の聖地を紹介。効率的な巡り方やアクセス情報も掲載。


コメント