江ノ電沿線の隠れた絶景スポット5選|5年通勤で見つけた本当の絶景
鎌倉在住5年、品川までの毎日通勤で江ノ電に1,250回以上乗車した私が、本当に心を奪われた絶景スポットを厳選してご紹介します。観光ガイドには載らない、地元民だけが知る”瞬間の美しさ”をお届けします。

1. 稲村ヶ崎駅|夕暮れ時の富士山シルエット
稲村ヶ崎駅から徒歩2分の海岸線は、江ノ電沿線で最も感動的な夕景スポットです。2021年11月18日、17時32分発の江ノ電を降りた瞬間、目の前に広がったのは真っ赤な夕日と富士山のシルエット。空がオレンジからピンク、紫へとグラデーションに染まる光景に、思わず次の電車を見送ってしまいました。
冬場(11月〜2月)の晴れた日、16時30分〜17時30分が絶好のタイミング。特に空気が澄んだ日は、富士山の輪郭がくっきりと浮かび上がります。地元のカメラマンたちが三脚を立てる姿も日常風景です。
訪問のコツ:平日夕方は比較的人が少なく、ゆっくり鑑賞できます。週末は混雑するため、駅到着10分前には海岸へ移動しましょう。防寒対策も忘れずに。
2. 極楽寺駅|早朝6時台の静寂と光
江ノ電で最も小さく、最も美しい駅と言われる極楽寺駅。2020年6月のある朝、始発近くの江ノ電に乗車した際、駅舎に差し込む朝日の美しさに圧倒されました。木造駅舎の窓から斜めに入る光、ホームに漂う静寂、紫陽花の季節なら駅を囲む青い花々——これぞ”鎌倉時間”です。
この駅の魅力は、観光客がほぼいない早朝6時〜7時台にあります。通勤前の地元住民と、散歩中の犬だけが行き交う時間帯。駅員さんが箒で落ち葉を掃く音、遠くで聞こえる江ノ電の警笛——すべてが映画のワンシーンのようです。
訪問のコツ:6月上旬〜中旬の紫陽花シーズンがベスト。ただし週末は混雑するため、平日早朝の訪問を強く推奨します。駅前の成就院は8時開門です。
3. 鎌倉高校前駅〜腰越駅間|車窓から見る”走る絵画”
多くの人が鎌倉高校前駅で下車して踏切を撮影しますが、実は電車内から見る景色こそが最高の絶景です。腰越駅方面へ向かう江ノ電が海岸線に出る瞬間、左側の窓一面に広がる湘南の海——2019年9月、台風一過の快晴日にこの区間を通過した時、あまりの青さに息を飲みました。
この約3分間の車窓体験は、座席の位置が重要です。藤沢方面行きなら進行方向左側、鎌倉方面行きなら右側の窓側席を確保しましょう。特に午前中の逆光が少ない時間帯(9時〜11時)と、夕方の斜光が美しい時間帯(15時〜17時)がおすすめです。
訪問のコツ:平日は比較的空いているため座席確保が容易。週末は鎌倉駅や藤沢駅始発の電車を狙うと座れる確率が上がります。スマホのカメラを構えて待機を。
4. 七里ヶ浜駅前|朝7時の”光の道”
七里ヶ浜駅を降りて国道134号線を渡ると、目の前に広がる海岸線。ここで体験できる”光の道”現象は、私の5年間通勤の中で最も神秘的な瞬間でした。2022年3月15日の朝7時10分、海面に反射した朝日が一直線の光の道を作り出し、まるで天国への階段のよう。
この現象は、快晴で波が穏やかな日の朝7時〜8時限定。太陽の角度と海面の状態が完璧に揃った時だけ見られる奇跡の絶景です。私は月に1〜2回しか遭遇できませんでしたが、その価値は十分にあります。
訪問のコツ:前日の天気予報で「快晴」「弱風」を確認し、早起きする覚悟で挑みましょう。駅前のカフェ「WEEKEND HOUSE ALLEY」で朝食を取りながら待つのもおすすめです(8時開店)。
5. 長谷駅|改札を出た瞬間の参道風景
長谷寺や高徳院(鎌倉大仏)への玄関口として有名な長谷駅ですが、改札を出て正面に見える参道の風景が実は最高の撮影スポット。2023年4月の桜シーズン、朝8時30分に改札を出た瞬間、参道の両脇に咲く桜と江戸時代から続く商店街の調和に心を奪われました。
この景色の特別さは、”観光地なのに生活感がある”点です。八百屋の店先に並ぶ新鮮な野菜、和菓子店から漂う甘い香り、地元の子どもたちが通学する姿——観光と日常が交差する瞬間が、この場所の魅力です。
訪問のコツ:観光客が少ない平日午前中(8時〜10時)がベスト。特に春の桜シーズン(3月下旬〜4月上旬)と紅葉シーズン(11月下旬〜12月上旬)は必見です。商店街の人々に挨拶すると、地元民気分を味わえます。
江ノ電沿線絶景を楽しむための3つのポイント
① 時間帯を意識する
同じ場所でも、時間帯で景色は劇的に変わります。朝の清々しい空気、昼の眩しい陽光、夕方の温かな色彩——それぞれに異なる美しさがあります。私の経験上、早朝(6時〜8時)と夕方(16時〜18時)が最も感動的な景色に出会える時間帯です。
② 天気と季節を選ぶ
快晴の日だけが絶景とは限りません。曇り空の柔らかな光、雨上がりの空気の透明感、台風一過の劇的な青空——それぞれに美しさがあります。ただし、富士山を見たい場合は冬の快晴日が圧倒的に有利です。
③ 地元の人の動きを観察する
カメラを構えた地元の方、散歩中の住民、通学する学生——彼らの動きが絶景タイミングのヒントです。特にカメラマンが集まる場所と時間帯は、間違いなく何か特別な景色が見られる証拠です。

まとめ|江ノ電は”動く絶景ギャラリー”
5年間で1,250回以上乗車した私が断言できるのは、江ノ電沿線は日本屈指の”動く絶景ギャラリー”だということ。今回ご紹介した5つのスポットは、ガイドブックには載らない、でも確実に心に残る景色ばかりです。
大切なのは、”見ようとする意識”です。通勤や移動の手段として何気なく乗る江ノ電も、窓の外に意識を向ければ、毎日が絶景との出会いになります。次回鎌倉を訪れる際は、ぜひ今回の5スポットを訪れて、あなただけの特別な瞬間を見つけてください。
片道1.5時間の通勤時間が、私にとって最高の”絶景タイム”になったように、あなたの鎌倉旅行も忘れられない記憶になることを願っています。
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