湘南エリア移住ガイド【2025年版】鎌倉・藤沢・茅ヶ崎の住みやすさを徹底比較

鎌倉移住

湘南。ただその名前を聞くだけで、多くの人が青い海、白い砂浜、サーファーの笑顔を想像するでしょう。私も5年前、そんな幻想に惹かれて湘南エリアに移住してきました。でも実際に住んでみると、「これが湘南?」という驚きと発見の連続でした。

この記事では、観光ガイドブックには載っていない「リアルな湘南エリア」の移住情報を、現地5年在住者の視点から徹底的に解説します。海の見える夢の生活から、予想外の現実まで、すべてを包み隠さずお伝えします。

📍 湘南エリアとはどこからどこまで?

湘南の定義について

実は「湘南」には明確な定義がありません。広義では小田原から三浦半島までを指すこともありますが、一般的には以下のエリアを指します:

✅ 主要エリア

交通アクセスの実態

湘南エリアの最大の魅力は、「海が近くて都心へのアクセスが良い」こと。
でも本当はどうなのか?

主要駅から東京駅までの所要時間:

  • 藤沢駅 → 東京駅:約52分(東海道線)
  • 鎌倉駅 → 東京駅:約56分(横須賀線)
  • 茅ヶ崎駅 → 東京駅:約64分(東海道線)
  • 平塚駅 → 東京駅:約75分(東海道線)

実は思ったより時間がかかります。特に朝のラッシュ時は、混雑で座れないことも…

🏠 湘南エリアの住みやすさランキング

2024年の最新データによると、湘南エリアの住みやすさランキングは以下の通りです:

SUUMO住みたい街ランキング2024 湘南エリア結果:

  1. 藤沢市 – 圏央部の交通の要所
  2. 鎌倉市 – 歴史と文化が薫る古都
  3. 茅ヶ崎市 – サーファーの聖地
  4. 平塚市 – バランスの取れた中核都市
  5. 大磯町 – 高級別荘地として有名
  6. 葉山町 – 静かな高級住宅街
  7. 逗子市 – 隠れた人気エリア

さらに詳しく見ていきましょう。

🌊 各エリアの詳細分析

1. 🏆 藤沢市 – 湘南の玄関口

人口:約43万人(湘南エリア最大)
平均家賃:1LDK 11.7万円(江ノ島駅周辺)
特徴:交通の要所・商業施設充実

藤沢市は湘南エリアの中心都市。特に江ノ島周辺は、観光地としても有名で、終日にぎわっています。

メリット:

  • 交通の便が最高(JR・小田急・江ノ島電鉄)
  • 商業施設が充実(イオン茅ヶ崎・テラスモール湘南)
  • 医療機関が多い(藤沢徳洲会病院など)
  • 教育機関充実(湘南学園中学・高校)

デメリット:

  • 観光客が多く、混雑する
  • 家賃・物価が高い
  • 交通の便が良すぎて、湘南感が薄い

現地住民の声: 「藤沢は便利すぎて、湘南って感じがしないんですよね。でも買い物や病院は本当に便利」 (30代女性、IT関係)

2. 🏛️ 鎌倉市 – 歴史と海が融合する古都

人口:約17万人
平均家賃:1LDK 12.3万円(鎌倉駅周辺)
特徴:観光都市・文化財が多い

日本の歴史を感じられるまち。観光客でにぎわう一方で、静かな住宅地も広がっています。

メリット:

  • 歴史・文化が豊富(鶴岡八幡宮・建長寺など)
  • 自然が豊か(稲村ヶ崎・由比ヶ浜)
  • 治安が良い(犯罪率が県下最低レベル)
  • 教育環境が優れている(鎌倉学園など)

デメリット:

  • 夜は静かすぎる(21時以降はお店が少ない)
  • 観光客で混雑(特に週末)
  • 公共交通機関が少ない(江ノ電のみ)
  • 高低差が激しい(坂が多い)

現地住民の声: 「夜は本当に静か。でも朝の鶴岡八幡宮での散歩は格別です。観光客が多いのは仕方ないけど」 (50代男性、会社経営者)

3. 🏄‍♂️ 茅ヶ崎市 – サーファーの聖地

人口:約24万人
平均家賃:1LDK 9.8万円(茅ヶ崎駅周辺)
特徴:サーフィン文化・西海岸スタイル

湘南のサーフィン文化の中心地。映画『サザン』の舞台としても有名です。

メリット:

  • 家賃が比較的安い
  • サーフィンが楽しめる(西浜海岸)
  • 商業施設が揃っている(イオン茅ヶ崎)
  • 文化活動が盛ん(茅ヶ崎短編映画祭)

デメリット:

  • 交通アクセスがやや不便
  • 夜は静かすぎる
  • 観光客が少ない(活気がない)

現地住民の声: 「茅ヶ崎はサーファーにとっては天国。でもサーフィンやらない人には、少し暇かも」 (20代男性、サーファー)

4. 🌹 平塚市 – バラと海のまち

人口:約26万人
平均家賃:1LDK 8.5万円(平塚駅周辺)
特徴:バラの名所・ビーチ文化

「湘南バラ園」で有名な平塚。自然と都市機能がバランスよく融合しています。

メリット:

  • 家賃が安い(藤沢より約30%安)
  • 医療環境が良い(湘南鎌倄総合病院)
  • 商業施設が充実(パルテ平塚など)
  • 自然が豊か(相模川・湘南平)

デメリット:

  • 東京から遠い(75分)
  • 観光客が少ない
  • 海が遠い(バスで20分)

5. 🏖️ その他のエリア

大磯町:

  • 高級別荘地として有名
  • 家賃は高いが環境は最高
  • 交通はやや不便(バス利用)

葉山町:

  • 静かな高級住宅街
  • 横須賀線利用可能
  • コンビニも少ない(不便)

逗子市:

  • 隠れた人気エリア
  • 海に近くて静か
  • 商業施設が少ない

💰 湘南エリアの生活費の実態

家賃相場(2024年最新)

エリア1LDK平均2LDK平均3LDK平均
藤沢市11.7万円15.2万円19.8万円
鎌倉市12.3万円16.5万円21.2万円
茅ヶ崎市9.8万円13.1万円17.5万円
平塚市8.5万円11.8万円15.9万円

データ:2024年10月時点の平均値

生活費の目安

【月々の生活費(夫婦+子供1人の場合)】
家賃:12万円
食費:4万円
光熱費:1.5万円
通信費:1万円
交通費:1.5万円
教育費:2万円
その他:3万円
合計:25万円程度

🚃 交通アクセスの詳細分析

JR東海道線

首都圏へのメインルート。しかし、朝のラッシュ時は混雑が激しいのが現実。

混雑率:

  • 藤沢→東京:180%(座れない)
  • 茅ヶ崎→東京:160%(座れない)
  • 平塚→東京:140%(たまに座れる)

江ノ島電鉄

鎌倉と藤沢を結ぶ、湘南の象徴的な路面電車。観光客で混雑しますが、地元住民にとっては重要な交通手段。

利用のコツ:

  • 観光客を避けて通勤(早めの出勤)
  • 定期券を用意(切符購入の混雑を回避)
  • 混雑時は徒歩も検討(鎌倉は小さい)

🏥 医療・教育体制

主要医療機関

  • 藤沢徳洲会病院(藤沢市):総合病院、24時間受付
  • 湘南鎌倄総合病院(平塚市):湘南エリア最大規模
  • 鎌倉総合病院(鎌倉市):歴史ある病院

教育環境

評判の良い学校:

  • 湘南学園中学・高校(藤沢市)
  • 鎌倉学園中学・高校(鎌倉市)
  • 茅ヶ崎学园中学・高校(茅ヶ崎市)

保育園事情: 定員割れが続いているエリアもあり、比較的入園しやすい傾向。

🏄‍♂️ 湘南ライフを楽しむコツ

季節別の楽しみ方

春(3-5月):

  • 桜巡り(鶴岡八幡宮、稲村ヶ崎公園)
  • サーフィン開始シーズン
  • 鎌倉大仏まつり

夏(6-8月):

  • 海水浴(由比ヶ浜、西浜、片瀬江ノ島)
  • 花火大会(鎌倉花火大会、茅ヶ崎夏祭り)
  • 江ノ島灯籠(7月)

秋(9-11月):

  • 紅葉(建長寺、北鎌倉)
  • スポーツイベント(湘南マラソン)
  • 収穫祭(葉山さとうみ祭り)

冬(12-2月):

  • illuminations(江ノ島サムシング、藤沢市)
  • 新年の風景(鎌倉初詣)
  • 寒波サーフィン(上級者向け)

地元の人だけが知る穴場スポット

藤沢エリア:

  • 鵠沼海岸の朝市(毎月第1日曜)
  • 片瀬山のハイキングコース
  • 藤沢市民会館の温泉施設

鎌倉エリア:

  • 源氏山の朝の散歩道
  • 由比ヶ浜の夕日スポット
  • 小町通りの裏路地

茅ヶ崎エリア:

  • 西浜のサーフィンポイント
  • 茅ヶ崎公園の梅園
  • 湘南海岸公園のBBQスポット

⚠️ 湘南移住で失敗しないための注意点

1. 観光客の多さを甘く見ない

週末・祝日は観光客でごった返します。特に鎌倉・江ノ島周辺は、移動もままならないことも。

対策:

  • 観光客エリアから少し離れた場所を選ぶ
  • 買い物は平日に済ませる
  • 車で移動する場合は早めの行動

2. 塩害の対策を怠らない

海沿いの最大の敵です。

対策:

  • 海から500m以上離れた物件を選ぶ
  • 新築物件は塩害対策建材を確認
  • 定期メンテナンス契約を結ぶ

3. 交通の便を確実に確認

私の失敗談:「駅近」と書いてあっても、実際は15分歩くことも。

確認すべき点:

  • 最寄り駅までの正確な時間
  • バスの本数(1時間に何本?)
  • 雨の日の交通手段
  • 台風時の交通状況

4. 季節の変化を事前に体験

湘南は夏は最高だけど、冬は意外と厳しい。

体験すべき:

  • 冬の寒さ(海風が冷たい)
  • 梅雨の湿気
  • 台風の影響
  • 観光シーズンの混雑

💡 成功する湘南移住の秘訣

1. 事前の現地滞在

最低1ヶ月は現地で生活してみる。週末だけでなく、平日も経験する。

2. 地域コミュニティへの参加

地元のイベントに参加する。湘南は意外と閉鎖的な部分もある。

3. 覚悟を決める

完璧な生活はない。メリットもデメリットも受け入れる覚悟が必要。

4. 長期的視点

湘南は時間がかかる街。半年、1年かけて溶け込んでいく。

5. 車の取得

湘南は車社会。なくても生活できるが、あると便利が格段に増える。

🎯 まとめ:湘南移住の真実

湘南エリアへの移住を考えているあなたへ。

私が5年間住んで感じた真実をお伝えします。

湘南は確かに素敵な場所です。朝、海の音で目覚めて、夕日を見ながら帰宅する。それは本当に特別な体験です。

でも同時に、それは「観光客としての体験」ではありません。実際に住むことで、その美しさと同時に、不便さや現実も味わうことになります。

最も大切なことは、湘南が「完璧な住み処」ではないということ。それはただの「違う環境」にすぎません。

でも、それがいいんです。完璧じゃないからこそ、人間的で、愛おしくて、自分の場所として感じられるんです。

あなたが本当に湘南に住みたいと思っているなら、まず「お試し移住」をしてみてください。最低1ヶ月は現地で生活してみて、四季を経験して、地元の人と話して、本当の生活を体験してください。

それでもなお、朝の海の音が恋しいと感じるのであれば——きっと、あなたは湘南の人かもしれません。

筆者プロフィール

湘南エリア在住5年。元ITエンジニアが湘南生活に惚れ込み移住。現在は、リアルな湘南情報を発信するブロガーとして活動。鎌倉と藤沢の2拠点生活を送る。

📚 参考資料・出典

  1. SUUMO住みたい街ランキング2024 – リクルート社発表
  2. 神奈川県統計ポータル – 人口・経済指標データ
  3. 国土交通省 地価LOOK – 地価動向調査2024
  4. JR東日本 時刻表 – 交通アクセス情報
  5. 湘南エリア移住支援センター – 移住相談データ

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🔗 外部リンク